言の葉(みちしるべ)kotoha
【37】 千の風になって
私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています
秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る
私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 死んでなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています
千の風に 千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています
あの大きな空を 吹きわたっています
この詩を読んで、私はすぐに この「言の葉」で紹介させていただいている
田久保園子先生の「風船の話」を思い出しました。
その中の「大きな大きないのち」が、ここでは「千の風」と表現されるのでしょう。
そういえば、日曜学校(子供会)の指導をして下さった先生が 教えて下さった歌に「仏さま」という題で、こんなのがありました。
♪仏さまは どこに どこにいらっしゃる
春は花咲く 枝のもと
夏は 水辺の 草のかげ
秋は 空行く 雲の上
冬は 窓打つ 雪の中
いつも どこかで 見ていて下さる
いつも なにかを 教えて下さる
仏さまは あれあれ あそこに いらっしゃる ♪
「死んだらしまい」ではない。大いなるいのちに帰らせていただく。
念仏の道でいうところの「浄土」をいただいた生き方を 理屈ぬきで 味わえる詩だと思いました。
※※※
これは朝日新聞『天声人語』が紹介し、大反響となった作者不明の英語詩(新井 満訳)です。
米国、同時多発テロの一周忌で、父親を亡くした11歳の少女が朗読したり、IRA(アイルランド共和軍)のテロで命を落とした24歳の青年が、“私が死んだときに開封してください”と両親に託した手紙の中に、この詩が入っていたといいます。
Web上でも「千の風になって」をキーワードで検索すれば かなりあります。ここも↓
ちなみに 原文は次のとおり
I am a thousand winds
Author Unknown
Do not stand at my grave and weep;
I am not there, I do not sleep.
I am a thousand winds that blow.
I am the diamond glints on snow.
I am the sunlight on ripened grain.
I am the gentle autumn’s rain.
When you awaken in the morning’s hush,
I am the swift uplifting rush
Of quiet birds in circled flight.
I am the soft stars that shine at night.
Do not stand at my grave and cry;
I am not there, I did not die.