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七七日のたより(四十九日法話)77-49

二七日のたより


南無阿弥陀仏。
初七日が過ぎ、二七日(ふたなのか)をお迎えになりました。

私ごとで恐縮ですが、父が急死した際に、ご近所・ご門徒・親戚の皆さんが駆け付けて下さり、手際よく あれこれと段取りを進めて下さいました。でも、悲しみの淵にあった私は、正直なところ、まだ葬儀のことを考えるこ気になれませんでした。

「あまりにも急な死なのですから、一日だけ、このままそっとしておいてもらえませんか。家族だけで一晩泣き明かさせて下さい。それから改めて葬儀の準備にかかりたいのです…。」
と言おうかと思いました。

もちろん、それは許されることではありません。しかし、もしもあの時、周囲の方が、
「そうですよね。今日はご家族でゆっくり泣き明かして下さい」
と言って下さったなら、どうでしょう。私たち家族はきっと、悲しみのどん底に落ちて、もはや立ち上がることができなくなっていたような気がします。

次々と、通夜・葬儀と手配・段取りに追われることで、悲しみも少しずつ、じわりじわりと引き受けていけるのかもしれません。思えば、これも先人が遺してくれた知恵のような気がします。「日にち薬」という言葉は、このことなのでしょう。合 掌