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七七日のたより(四十九日法話)77-49

三七日のたより


南無阿弥陀仏。
三七日がまいりました。次第にお淋しいことでしょう。

現代の日本は、赤ちゃんからお年寄りまで、みんな忙しい、忙しいといっています。しかし、いったい何をそんなに急いでいるのでしょう。

ちょうど自動車でいえば、アクセルペダル(加速器)ばかり踏み締めて、ブレーキを忘れているかのようです。赤信号にでも引っかかれば、舌打ちすることさえあります。止まることが「悪いこと」にさえなっているようです。

しかし、どれほど強力な馬力を持ったエンジンが開発されても、それを止めるだけのブレーキが開発されなければ、意味がありません。ブレーキのない車は、単なる暴走車です。アクセルペダルを踏みつづけ、カーブを曲がり損ねて谷底におちる…これが「過労死」かもしれません。

走り続けることも大切ですが、ブレーキをかけて止まることも必要です。止まらなければ、エンジンやタイヤの点検はできません。止まればこそ、足元に咲いていた花に気づくこともできるのです。

このたびは、故人(○○様)が、私たちに大きなブレーキをかけてくださいました。それは、私たちに対して、「忙しいといいながら 大切なことを見失ってはいないか」と、かけて下さった「命がけのブレーキ」です。

どうぞ 立ち止まり、耳を傾けてください。合 掌