放言御免hougen-gomen
ハッピー・ホリディズ!
現在の日本では、年末になるとクリスマス一色に彩られる。キリスト教徒でもないのに、日本中がイエス・キリストの誕生日のお祝い行事をする。
といっても、実際は商業ベースに乗せられて イエス様の誕生よりも、ケーキとプレゼント、それにパーティ(ちょうど忘年会感覚)の方が主役という感じだが…。
それに比べて、お釈迦さまの誕生日は お祝いするどころか 何月何日かさえも知らない人が多いことだろう。 (正解は 4月8日) まっ、もちろんそれは 寺院(僧侶)側の伝道不足という責任も多分にあると思うが…。
いずれにしても、クリスマス は、秋枯れの後の殺風景な冬に 明るいクリスマスソング・美しく飾られたツリー・冷たく冴えた夜に輝くイルミネーション・ケーキ・サンタクロースにプレゼント… ムード よすぎます!
対して、お釈迦さまのお誕生のころは 春爛漫の花盛り。新入学シーズンで、ウキウキで何もしなくっても ルンルン・モード。
その中で「花まつり」(お釈迦さまの誕生法要)は完全に埋もれいる。ふむ。生まれるときをお間違えになられましたかな、お釈迦さま!
ところで、メリー・クリスマス(Merry Christmas!)って、どういう意味だろう?改めて周りに聞いてみても、案外(いや私も)知らないものだった。
まず、メリーは英語の「Merry」で、「楽しい」とか「愉快な」という意味。
クリスマスは「Christmas」で、「キリスト(Christ)のミサ・礼拝(mass)」という意味になる。
つまり、メリークリスマスとは、
「I wish you a merry Christmas.」=「あなたが楽しいイエス生誕の礼拝の日をおくれますように」を省略したもののようだ。
すると やっぱり、キリスト教徒以外が言うのはちょっと無節操な気がする。Web 上で検索してみると、
多民族、他宗教国家であるアメリカでは、キリスト教徒ばかりではありませんから、テレビやラジオ、職場では 「メリークリスマス!」 とは言わずに「ハッピーホリデイズ!」と言う
…そんな記事があった。
政府庁舎など公共施設でもクリスマスの飾り付けは見られないとか。クリスマスツリーのことを 「ホリディツリー」 と呼ぶところもあるようだ。これは、みんな 他宗教の人への配慮・気遣い からくるものだろう。
もし、もしイスラム教徒に、「今日はクリスマスだからいっしょに一杯飲もう」と勧めたなら、それはもう大変な侮辱になるという。イスラム教徒は 酒と豚肉は厳禁だし、あくまで人間であり神とは認めないイエスを神と崇めることは重大な罪を犯すことになるわけだから。
反対に、クリスマスを ただケーキを食べて騒ぐだけの行事としてしまった日本人に対して、敬虔なキリスト教徒は一年で最大の神聖なお祭りを 侮辱されたと怒っていると聞いたこともある。
互いの宗教を尊重・配慮していく 気遣いがないと 「無節操」といわれても、仕方ない。
片や、サンタクロースもツリーを 仏教徒だからと完全に排除するのではなく、西洋文化の一環として適当な距離(キリスト教に対しての気遣い)をもって、対応すればどうだろう。
そうでなければ、西洋文化のほとんどを拒否・否定しなければならないことになる。
実は、わが家でも、かたくなに 異宗教の行事に関わるまいとして、子どもたちには、
ウチはね、サンタクロースさんは 来ないの。 その代わりお正月にアミダサンタ さんが やって来るからね!って言っていた。
しかし、今になって思えば、子どもたちの夢(月ウサギの餅つきと同じ程度)を上手に ごまかしていたような気もする。
そういう意味で、メリークリスマス! の代わりに ハッピーホリデイズ!…
悪くないような気もするが…。
まっ、これについては もう少し キチッとして起源・由来を踏まえてからまた述べてみたい。とりあえず、現時点のところでは ここまで放言御免。
<参考>
ちなみに、アメリカ合衆国ではサンクスギビング・デー(感謝祭).=11月第4週木曜日 からクリスマスまではホリデイシーズンと呼ぶそうで、日本の正月のような感覚で みんな どこか浮かれいる時期。その間の挨拶が「ハッピーホリデイズ!」であるとのこと。