言の葉(みちしるべ)kotoha
【32】年令が高くなると…
年令が高くなると、
若さから解放される。
今、その自由感に
るんるん (岡部伊都子)
若いことは「よいこと」で、老いることは 「悪いこと」。
健康は 「よく」て、病気は「駄目」。
こんなふうに 良し悪しを分けて それにこだわり・とらわれることを仏教では分別(ふんべつ)といいます。
でも、仏さまの智慧は、分別ではなく無分別です。「若さ」と「老い」、「健康」と「病気」、それらを分けて良し悪しをいうのではなく、それぞれの中に生きる意味を見出し、引き受けていく教えです。
若いときも 老いた時も、健康であっても病気になっても、自分の「今」をしっかりといただいていける道が 仏教です。
「老い」や「病気」を否定し、「若さ」や「健康」を追い求めている人があって、その人自身が 年を取り、病気になったならば、そのときの 辛さ・苦しさは 、はかり知れないものでしょう。
この岡部さんの言葉は、まさに無分別の解放感があふれているような気がします。