言の葉(みちしるべ)kotoha
【36】目はかすみ…
目はかすみ 耳は 蝉鳴き
葉は落ちて
霜を頂く 歳の暮れかな
これは 博多の禅僧・仙厓の歌と 聞いています。(未確認)
かすみ(=春霞)・蝉鳴き(=耳鳴り)・葉は落ち(=入れ歯)・霜(=白髪)…と 老いゆく姿を春夏秋冬の中に見事に読み込んであります。
でも、これら(霞・蝉・落ち葉・霜)はみんな サインです。私に「そろそろだぞ…」「近いぞ…」と知らせてくれるサインです。
しかし、そのサインが出ているのに うかうかと忙しい忙しいとドタバタしています。
電車の車掌さんが、「まもなく終点です。お忘れ物はございませんか」と聞いてくれるように、人生の終点は「そろそろ近い」のです。身体からのサインもお見逃しなきように。
「人生の忘れ物」は ありませんか。
[メモ]
仙厓(せんがい):
江戸時代、良寛・白隠に並ぶ軽妙洒脱な臨済宗の禅僧。
臨終の際に「死にともない、死にともない」と言ったとか。弟子たちはあわててその真意を問うたところ 「ほんまに、ほんまに」 と答えたと伝えられています。
※仙崖 や仙涯 は間違い。仙厓 が正解。
ひらがな法話 「わすれもの」 もご覧下さい