言の葉(みちしるべ)kotoha
【39】いいんだよ。
「おれ、窃盗やってた」
… いいんだよ。
「わたし、援助交際やってた」
… いいんだよ。
「おれ、イジメやってた」
… いいんだよ。
「わたし、シンナーやってた」
… いいんだよ。
「おれ、暴走族やってた」
… いいんだよ。
「わたし、リストカットやってた」
「おれ、カツアゲやってた」
「わたし、家に引きこもってた」
… いいんだよ。
昨日までのことは、みんな いいんだよ。
「おれ、死にたい」「わたし、死にたい」
… でも、それだけはダメだよ。
まずは今日から、水谷と一緒に考えよう。
… 生きてくれさえすれば、それでいいんだよ。
不登校、ひきこもり、リストカット、薬物乱用… 12年間夜の街を回り、5000人の生徒と向き合った「夜回り先生」こと、水谷修先生の言葉です。
そして先生は どの子に対しても、「先生が一緒にいるよ」と声をかけます。
なんだか阿弥陀さまのおこころを聞いたような気がしました。
阿弥陀さまも「立派な人になりなさい」「いい人間になりなさい」とは 言われない。
「そのままでいいんだよ」 「立派な人には、なかなか なりきれない」そんな「わが身を知れよ」 だからこそ 私がここにいるよ…と。
水谷先生は、今の社会は「だめだよ」という言葉が満ちているといいます。
会社で「何やってんだ」と怒鳴られた父親が、家では妻に「風呂も沸いてないのか!」。イライラした母親は子供に「こんな点数じゃダメ!」。すると、子供は…?
ついつい「ダメじゃないか!」といっていまう私だから、余計に「いいんだよ」が心にしみたのかもしれません。
「いいんだよ」と丸ごと認められるからこそ、
「そのままでいい、といわれて このままではいけない、と思うようになった」
という 言の葉【17】の善巧寺ご住職の言葉が出てくるのだと思います。